2012/13シーズンよりチューリッヒ・バレエ団の芸術監督に就任したクリスチャン・スプークによる2019年6月に上演された『ロメオとジュリエット』。2012年にスプークがチューリッヒで初めて手掛けた振付作品で、主演を務めるのはともにシュツットガルト・バレエから移籍したダンサー、ロメオ役のウィリアム・ムーアとジュリエット役のカーチャ・ヴュンシェ。
直輸入DVD、126分 、2019年
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『ロメオとジュリエット』は、シェイクスピアによって400年以上前に書かれた戯曲をバレエに翻案し、プロコフィエフの美しくも繊細な音楽で彩られた名作。クリスチャン・スプークの舞台は、華美な装飾はなくシンプルな舞台装置で、人間の細やかな心情を描き出しています。ロメオ役のウィリアム・ムーアは、印象的な巻き毛と誰もが恋に落ちてしまいそうな魅力的な踊りで一際存在感を放っています。そしてジュリエット役のカーチャ・ヴュンシェは、思春期特有の繊細さと両親への反発心を見事表現しています。ジュリエットは、透き通った白いドレスを着用し、長い髪は女学生のようにひっつめ、少女の無垢さを強調しています。この若い恋人たちを演じた二人のダンサーは、スプークの非常に緻密で複雑な振付を巧みに踊りこなし、幸福感や絶望感といった感情を身体を通して完璧な演技力で魅せます。
そして作品の重要な要素であるプロコフィエフの音楽も、ロシアの名指揮者ミハイル・ユロフスキ(近年目覚ましい活躍をしているウラディーミル・ユロフスキの父)の好サポートとフィルハーモニア・チューリッヒの高いコントラストと豊かな表現力で聴かせてくれます。
出演:
ジュリエット:カーチャ・ヴュンシェ
ロメオ:ウィリアム・ムーア
ティボルト:Tigran Mkrtchyan
マキューシオ:Daniel Mulligan
ベンヴォーリオ:Christopher Parker
キャピュレット公:Lucas Valente
キャピュレット夫人:Eva Dewaele
パリス:Jan Casier
ローレンス修道士:Filipe Portugal
ジュリエットの乳母:Elena Vostrotina
チューリッヒ・バレエ団、ジュニア・バレエ団
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
振付:クリスチャン・スプーク
指揮:ミハイル・ユロフスキ
演奏:フィルハーモニア・チューリッヒ
舞台:クリスティアン・シュミット
照明:ラインハルト・トラウプ
ドラマトゥルギー:ミヒャエル・キュースター
映像監督:ミヒャエル・ベイヤー
収録:2019年6月 チューリッヒ・オペラ・ハウス(ライヴ)