ノルウェーの劇作家イプセンの代表作の一つ「幽霊」。このバレエは土地の名士アルヴィング大尉の未亡人、息子オスヴァル、召使のレギーネ、この3人が暮らす館で起こる物語を描いています。自立した道を求めて(現実から逃避して)家を飛び出していたオスヴァル、一時は夫を捨てて牧師マンデルスの元に走ろうとしたアルヴィング夫人、自身の出自を知らないレギーネの3人が抱える屈折したストーリーを言葉ではなくバレエで表現するという意欲的な試みです。秘密が隠されている間は、穏やかな踊りが展開され、秘密が露わになるにつれ踊りも激しくなっていくという流れは、物語を知らない人にも理解しやすく、また、背景に映し出される映像もストーリーの進行を助けています。レギーネの継父エングストランを演じるヴェテラン稲尾芳文のダンスも見ものです。
直輸入DVD、74分、2017年
※より高画質なブルーレイもございます。(こちら)
オスヴァル/アルヴィング陸軍大尉(オスヴァルの父):アンドレアス・ヘイセ
子供時代のオスヴァル:クリストファー・アスク・ハグルンド
アルヴィング夫人(オスヴァルの母):カミーラ・スピッツオー
若き日のアルヴィング夫人:ソニア・ヴィノグラッド
牧師マンデルス:オーレ・ウィリー・ファルクハウゲン
若き日の牧師マンデルス:フィリップ・カレル
レギーネ(召使):グレーテ・ソフィーエ・ボールンド・ニューバッケン
子供時代のレギーネ:エッレ・ウストラート
指物師エングストラン(レギーネの継父):稲尾芳文
ノルウェー国立バレエ団/ノルウェー国立バレエ学校
演出:マーリット・モーウム・アウネ
振付:シーナ・エスペヨールド
音楽:ニルス・ペッター・モルヴェル
原作:ヘンリク・イプセン
収録:2017年2月 オスロ・オペラハウス(ノルウェー)